全国市民政治ネットワーク交流集会2018「今こそ、市民政治を拡げよう」報告

2年に一度開催される全国市民政治ネットワーク交流集会は7月21日・22日と東京を会場に実施された。テーマは「今こそ、市民政治を拡げよう」。井手英策さん(慶応大学教授)藤田孝典さん(NPO法人ほっとプラス代表理事)のお二人をお招きして、「社会保障と財政」をテーマにお話いただいた。コーディネーターは越谷市民ネットワーク市議の辻浩司さん。藤田孝典さんからは「貧困社会を終わらせるために政治と社会運動の連帯の時代」について、自らの活動を通して、貧困社会を終わらせるためには労働運動・市民運動との連携や結束が必要だと訴えられた。井手英策さんからは「頼りあえる社会へ~自由と可能性をすべての人に~」と題して、所得にかかわらず、応分の負担をして、その税金を不公平感を生まないよう再分配をすることで「弱者を生まない政治」にしていくことにあるのではということだった。

 

第1分科会「まちの縁がわツアー」

小田急線 祖師ヶ谷大蔵駅 スタート ●笑恵館(しょうけいかん)⇒●砧むら おばちゃん会議 ⇒昼食 ●生活クラブ 保育園ぽむ ⇒●ケアセンター世田谷

 

  • 笑恵館(世田谷区砧6丁目)は地域に住まいを開放し、子育て広場や高齢者の食事会、コーラスなど、会員による運営がされている。自治体の助成金はとらず、寄付や会費によって進められてきている。
  • 「大海(おおがい)さんおばちゃんの家」は住み開きをし、定期的に高齢者向きにイベントを開催している。町会にもチラシを配布している。
    「まち歩きツアー」「住み開き」という言葉を初めて聞いたという参加者もいた。偶然世田谷砧地域に、高齢者・子どもなどの居場所や保育園などが点在しており、コミュニティの中で人と人との交流が、進んでいることがわかった。しかし、このような居場所づくりをしようと思っても行政の援助が使いにくいという声が多い。改善していくよう要望していく必要がある。

 

 

第2分科会「多文化共生スタディツアー」大久保周辺

「共住懇」企画 東京ネット事務所スタート●コリア文化拠点→職安通り→大久保公園(日本駆け込み寺)→長光寺→一番街通り→皆中稲荷神社→イスラム横丁→大久保通り→イケメン通り→ASKビル(東京ネット事務所で説明) まち歩き70分、説明30分

 

大久保1・2丁目と、百人町1・2丁目の地域では住民比率で4.1%の外国籍区民が住む。日本語学校や各種学校、宗教も多様に混在する。1990年代初頭から外国人の増加に伴い、①ゴミや騒音などの住宅環境問題②外国人が関係する犯罪の増加などが地域で社会問題化した。3.11東日本大震災では外国人たちは国に帰って、閑散とした。マスコミがコリアタウンを紹介したことから、徐々に復活の兆しが現れる。コリアタウンとしての町のイメージによってヘイトスピーチの対象に新大久保がなる。2013年人口が減ったが、ネパール人やイラン人などのニューカマー(新来者)によって人が増えていった。学校はクラスの半分が外国籍をルーツにもつ子どもたち。授業は5言語。去年は6言語。一昨年は7言語。2000年以降はニューニューカマーに。大久保の特徴としては「外国人」のイメージは一つではない。2002年以降、ビジネスの大型化、多角化が著しい。外国人の経営による各種の事業が拡大し、日本人事業者や地域経済と密接な関係を持つようになった。また、家族滞在者が増えるなど地域への定住傾向もみられる。

新宿区の政策として多文化共生推進課が設置、新宿区多文化共生まちづくり会議、新宿区多文化共生実態調査を実施。大久保の将来像として、新大久保駅舎改修、ロッテ工場跡地の拠点化などが長期計画に掲げられている。

東京・生活者ネットワークは事務所を大久保にもって20年がたつ。少子高齢化・人口減少がすすみ、労働力不足に悩む今、このまちで外国人労働者がいなければ、日本人の生活が成り立たなくなるのではと思われるほどだ。政府は外国人労働者として受け入れる方針をすすめているが、単なる労働者としての受け入れにとどまるのか、ともにまちづくりをすすめる市民権をもつような生活者とするのか、まずはさまざまな背景や価値観をもつ人たちとの交流の場が必要だ。

 

第3分科会「議会改革」

「ローテーション議員の担当は場外乱闘!?」信州・生活者ネットワーク

丸山香里さん(元長野市議会議員)、西村裕子さん(長野市議会議員)が報告。市役所・市民会館建て替えの是非を問う住民投票直接請求や総合球戯場整備に対する請願など、ローテーション後は市民として議会を通した市政へのアプローチをしていることの報告。現職市議と連携して市民自治を拡げている様子が報告された。

「女性議員による議会改革特別委員会」とりで・生活者ネットワーク

池田滋(取手市議会議員)が報告。出産したばかりの女性議員の子育てを応援したいとの理由で7名の女性市議が団結。ネット議員が中心となり推進役を務め、議長の発案で女性議員7名全員をメンバーとする議会改革特別委員会が設置された。周辺の茨城県18市町、千葉県内3市議会を含み45名の女性議員による意見交換会をワールドカフェ形式で開催。産休・育休制度を創設など、女性が活動しやすい議会づくりにむけての制度改革を行った。また、女性が働きやすい環境整備を求める意見書を取手市議会では全会一致で可決するなど成果を生み出している。

「議員の年金制度にやっぱりNO!」議員年金アクションチーム(神奈川ネットワーク運動)

青木マキ(横浜市議会議員)が報告。廃止された議員年金を厚生年金として復活しようという動きに対して、街頭でのアンケート調査などを行い広く市民にも意見を聴き「NO!」の声を代弁。全国市議会議長会や全国町村議長会への公開質問状送付、国会議員との意見交換、国会議員へのハガキアクションなどを行った。自治体負担が増大すること、年金一元化を優先すべきこと、あるべき議員や議会の姿とは何か、を市民に知らせ問いながら積極的に運動を展開している。

 

第4分科会 「〈組織拡大・市民参加〉~専業主婦なき時代の代理人運動の課題と展望」

埼玉県市民ネットワーク、市民ネットワーク・いなげ、昭島・生活者ネットワーク、つくば・市民ネットワーク、神奈川ネットワーク運動、市民ネットワーク北海道から事例発表があった。事務局を運営する苦労や工夫が披露された。身を粉にして働かないと、様々な企画をこなせないと思うのに本当によくやっていると思う。

市民ネットワークいなげの報告の中で、事務所のある地元の自治会に加入し、回覧板で広報紙を回してくれるという話には驚いた。間借りしている身で事務所レベルでの自治会加入とはなかなか発想できない。また代理人不在の時期に地域の居場所として機能し続けたことには強い信念があっってからこそで、なかなか真似が出来ない、と思った。

つくば・市民ネットワークは、人口23万人、議員定数28人中 4人の代理人を出していることと、一般質問はリハーサルまで行うという活発さにまた驚いた。

埼玉県市民ネットワークはピーク時の7人から3人へと変化する中で県レベルの活動が厳しい中で、地域ネットを新たに生み出すために組織拡大に励んでいることが報告された。   各団体の報告を聞きながら、これは取り入れてみたい、これはとても無理など頭をめぐらせていた。他団体のお話をじかに聞くことが出来てとても有意義で刺激的な時間であった。

 

第5分科会「調査活動」

  • 「都心アクセス道路」計画反対要望活動(市民ネットワーク北海道)

高速道路の降り口の混雑緩和のために浮上した多額の公共事業について、市に対して情報公開を求め、市民参加で必要性も含めて調査活動やフォーラムを行いながら対案を提案した。

②「まちをひらき 子どもを育てる」子育て支援制度調査チーム(神奈川ネットワーク運動)

一時保育の現状と必要性知るためにフィールドワークや学習会を行い、地域の課題を解決する取り組みとしての有効性を確認。誰でも利用できる一時保育の利点と必要性を政策提案につなげた。

③「若者の居場所調査」(ふくおか市民政治ネットワーク・福岡城南)

子ども・若者の居場所の実態調査を行った結果をもとに、各区に一つは専門職員のいる常設の「若者の居場所」を福岡市へ予算要望するともに、議会でも政策提案をすすめている。

④「根上がり調査プロジェクト」(市民ネットワーク千葉県・さくらネット)

ネットレポートで根上がり問題と調査活動への参加を呼びかけたところ、反響があった。市民ともに現状調査を行い、改善策を提案した。

⑤「男女共同(平等)参画に関する自治体調査」(東京・生活者ネットワーク)

自治体のごとの男女平等施策を点数化してランキング付けすることで見える化に取り組んだ。ランキング結果を公表することで職員への意識づけにもつながった。今後は結果を分析して政策提案につなげていく。